プロセス内のステップを、自然な順序で行う
次に紹介する「リエンジニアリング後のビジネスプロセスに見出すことができる共通点」は、ステップ(作業)を自然な順序で行うという見直しです。自然な順序とは、作業を着手できるタイミングでさっさと始めることを指しています。
作業の着手を早めるといっても、一人で担当する作業内で実施するステップを早める話ではありません。複数の職務がかかわるプロセスおいて、ある職務の人が動き出すタイミングを早めることです。BPMN流 業務フロー入門の第3回で説明したハンドオフという視点で見直すものです。
業務フローを描くことを支援するサービスを提供していますが、業務ヒアリングすると大抵「Aさんが作業をして、次にBさんが作業をして、次にCさん」というように逐次的な説明を受けて、直線的に作業が並ぶ業務フローができ上がります。でも、よくよく聞いてみると「実はCさんの作業はAさんの作業が終わったらすぐに始めることができる」ということがわかったりします。業務フローを描くときには、作業の開始条件をしっかりと把握して、自然な順序で記述するように心掛ければ、自然とこの視点での見直しができるようになります。
【参考文献】 「リエンジニアリング革命―企業を根本から変える業務革新」(著)マイケル・ハマー、ジェイムス・チャンピー、(翻訳)野中育次郎 、1993年、日本経済新聞出版社